産業廃棄物収集運搬業

 神奈川県の場合、『産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物の収集運搬』を業として営むためには、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、神奈川県知事政令市神奈川県では、横浜市、川崎市、相模原市及び横須賀市長の許可を受ける必要があります。
 なお、政令市で事業を行おうとするときに、積卸しを行う地域が、政令市を含む複数の市町村にわたっている場合は、神奈川県知事の許可を受ける必要があります。この場合、政令市の許可は不要になります。ただし、産業廃棄物の積替・保管を伴う収集運搬業を政令市内で行う場合又は神奈川県内で1つの政令市内のみで収集運搬業を行う場合は、その政令市長の許可を受ける必要があります。
 ここでは、主に産業廃棄物収集運搬業(積替・保管を除く)許可要件を以下に示します。

技術的能力
 (財)日本産業廃棄物処理振興センターが実施する「産業廃棄物又は特別管理産業廃棄物処理業の許可申請に係る講習会」のうち、業の種類及び許可の区分に応じた講習会を事前に受講し、そのことを証する『修了証』(写)の提出が必要です。

 なお、申請者が法人の場合には、その代表者若しくはその業務を行う役員(監査役を除く。)又は政令使用人(県所管区域を事業活動の範囲とする支店等の代表者に限る。)が講習を修了する必要があります。
 また、申請者が個人の場合には、申請者又は政令使用人(県所管区域を事業活動の範囲とする支店等の代表者に限る。)が講習を修了する必要があります。
財産能力
 経理的基礎を有することを証する書面として『事業開始資金及び調達方法』及び個人の場合は『資産調書』、直近3年間の『所得税納税証明書』、法人の場合は直近3年間の『貸借対照表』、『損益計算書』、『株主資本等変動計算書』、『個別注記表』及び『法人税納税証明書』の提出が必要になります。

 なお、経理的基礎を有すると判断されるためには、利益が計上できていること又は自己資本比率(貸借対照表上の純資産の額を、当該額と当該貸借対照表上の負債の額の合計額で除して得た値をいう。)が10パーセントを超えていること及び申請に係る事業の将来の見通しについて適切な収益が見込まれると判断できるものであること(申請に係る事業について適切な収益が見込まれない場合にあっては、廃棄物処理部門あるいは企業全体として適切な収益が見込まれること) とされています。
施設
 施設について、その構造が当該施設において取り扱う産業廃棄物の性状に応じた適正な処理ができるものであること、稼働後の運転を安定的に行うことができ、かつ、維持管理が適正に行えるものであること等について証する書面として、『運搬車両の写真』(船舶は運搬船の写真)、『運搬容器の写真』、『車庫の案内図』(船舶は停泊場所)、『事務所の案内図、付近の見取図』の提出が必要になります。

  また、当該申請に係る施設について、継続的に使用する権限を有していることを証する書面として、駐車場などに係る土地の『登記事項証明書』(自己所有の場合のみ)又は『賃貸借契約書(写)(『使用承諾書(写)の場合は『土地の登記事項証明書』も必要です。)、運搬車両については『自動車検査証(写)(船舶は『国籍証書』及び『船舶検査証明書(写)自己所有船以外は『裸傭船契約書』又は『定期傭船契約書(写))の提出が必要になります。 
事業計画
 事業計画について適切であることを証する書面として①事業の全体計画取り扱う産業廃棄物運搬施設の概要収集運搬業務の具体的な計画環境保全措置の概要を内容とした『事業計画書』の提出が必要です。
欠格要件に該当しない
 欠格要件に該当しないことを証する書面として、『成年被後見人・被保佐人の登記をされていないことの証明書』、及び『誓約書』の提出が必要です。

 また、「爆発性毒性感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を取り扱う特別管理産業廃棄物収集運搬業があります。