貨物利用運送事業とは、会社や個人の方からの依頼により、運賃・料金を受け取って、自らが運送責任を負いつつ、他の運送事業者(貨物自動車、船舶、航空、鉄道)に貨物の運送を委託して運送する事業をいいます。
貨物利用運送事業を経営しようとする方は、第一種貨物利用運送事業は国土交通大臣の行う登録を第二種貨物利用運送事業は国土交通大臣の行う許可が必要です。
ここでは、貨物自動車運送事業のみの利用を念頭に置いた第一種貨物利用運送事業の登録要件を主に以下に記載します。
- 事業計画(施設)の適切性
- 主たる事務所の名称及び位置(必要なら保管施設も)、営業所の名称及び位置、経営上使用する商号、利用運送に係る運送機関の種類、利用運送の区域又は区間、業務の範囲を記した『事業の計画』の提出の必要があります。
事業の円滑な遂行として利用する運送を行う実運送事業者との間に、業務取扱契約がされており、貨物利用運送事業を円滑に遂行することができるものと認められることを要し、このことを証する『業務取扱契約書』(写)等の提出が必要です。
事業遂行に必要な施設として使用権原のある営業所、店舗を有し、都市計画法等関係法令の規定に抵触しないことを要します。
保管施設を必要とする場合は、使用権原のある保管施設を有し、都市計画法等関係法令の規定に抵触しないこととし、規模、構造及び設備が適切なものであることを要します。
また、このことについて都市計画法等関係法令に抵触していないこと旨とする『宣誓書』、営業所・(必要なら)保管施設の使用権原のあることを旨とする『宣誓書』及び使用権原が所有の場合は『土地建物の登記簿謄本』、賃貸の場合は『賃貸借契約書』(写)、(必要なら)保管施設が規模、構造及び設備が適切であることを旨とする『宣誓書』と以上のものとは別に営業所・(必要なら)保管施設の『見取図、平面図』の提出が必要です。
貨物の受取を他の方に委託して行う場合、その受け取り業務を円滑に遂行することができるものと認められる受託者に業務委託していることを要します。 - 事業適確遂行能力
- 財産的基礎として純資産300万円以上を所有していることを要し、個人なら『財産に関する調書』、既存法人なら直近の『貸借対照表』、新規法人なら『株式の引受又は出資の状況及び見込みを記載した書類』の提出が必要です。
組織として事業遂行に十分な組織を有することと、事業運営に関する指揮命令系統が明確であることを要します。
経営主体として欠格事由(貨物利用運送事業法第6条第1項第1~5号※のいずれにも)該当しないことと(そのことを証する『宣誓書』)、事業施行に必要な法令の知識を有することを要します。
※欠格事由は以下の通りです。
1 1年以上の懲役又は禁錮この刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けるこ
とがなくなった日から2年を経過しない方
2 第一種貨物利用運送事業の登録又は第二種貨物利用運送事業の許可の取消しを受け、
その取消しの日から2年を経過しない方
3 申請前2年以内に貨物利用運送事業に関し不正な行為をした方
4 法人であって、その役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又
は支配力を有する方を含みます。以下同じです。)のうちに前3項目のいずれかに該
当する方のあるもの
5 船舶運航事業者若しくは航空運送事業者が本邦と外国との間において行う貨物の運送
(以下「国際貨物運送」という。)又は航空運送事業者が行う本邦内の各地間におい
て発着する貨物の運送(以下「国内貨物運送」という。)に係る第一種貨物利用運送
事業を経営しようとする方であって、次に掲げる方に該当するもの
イ 日本国籍を有しない方
ロ 外国又は外国の公共団体若しくはこれに準ずるもの
ハ 外国の法令に基づいて設立された法人その他の団体
ニ 法人であって、イからハまでに掲げる方がその代表者であるもの又はこれらの方がそ
の役員の3分の1以上若しくは議決権の3分の1以上を占めるもの
また、運送事業者(船舶・航空又は鉄道運送事業者)の利用運送とその前後の貨物自動車(軽自動車は除く)による集荷及び配達を一貫して行い、利用者にドア・ツー・ドアの輸送サービスを提供する第二種貨物利用運送事業、一般貨物自動車運送事業者が事業計画の中で行う利用運送事業があります。