ドローン(無人航空機)を『空港周辺』、『150m以上の空域』、『人口集中地区上空の飛行』で飛行するには許可が必要です。
申請書の提出先は『空港周辺』、『150m以上の空域』は空港事務所長、『人口集中地区上空の飛行』は地方航空局長です。(経由して国土交通大臣への提出となります。)
また、飛行方法が、『夜間飛行』、『目視外飛行』、『30m未満の飛行』、『催し場所上空の飛行』、『危険物の輸送』、『物件投下』は承認が必要です。
申請書の提出先は地方航空局長です。(経由して国土交通大臣への提出となります。)
許可・承認の申請書記載事項は次の8つです。(※申請書本来の表記は無人航空機ですが、ここではドローンと置き換えてます。)
- 氏名及び住所
- (様式1)『ドローンの飛行に関する許可・承認申請書』(以下(様式1)とします。)の記載内容の一部で、ドローンを飛行させようとする方の個人であれば氏名及び住所を、法人であれば会社名及び代表者の氏名を記載します。
- ドローンの製造者、名称、重量その他のドローを特定するために必要な事項
- (様式2)『ドローンの機能・性能に関する基準適合確認書』(以下(様式2)とします。)及び『別添資料2』(無人航空機の製造者、名称、重量等を記載した書面。以下『別添資料2』とします。)の記載内容です。
・飛行させるドローンの製造者名、名称及び重量。
・ドローンの重量については、機体本体の重量及び飛行のために必要なバッテ
リーの重量の合計(バッテリー以外の取外し可能な付属品の重量は含みませ
ん。)並びに最大離陸重量。
※『資料の一部を省略することが出来るドローン』に該当していないか、該当していても改造している場合は『別添資料2』の記載内容の一部にもなります。
・操縦装置(遠隔操作を行うための装置をいいます。以下同じです。)の製造
者名及び名称。
※(様式2)の記載内容ではなく、『資料の一部を省略することが出来るドローン』に該当していないか、該当していても改造している場合のみ『別添資料2』の記載内容の一部になります。
・ドローンを識別することが可能な製造番号等。(ドローンを自作した場合に
は、機体を識別するための記号等を独自に設定し、当該記号等を機体に表示
します。)
・ドローン及び操縦装置の仕様が分かる設計図又は写真(多方面)を添付(
『別途資料2』の記載内容の一部になります。)ただし、『資料の一部を
省略することが出来るドローン』に該当する場合には、当該設計図又は写
真の添付を省略することができます。
つまり『資料の一部を省略することが出来るドローン』に該当し、かつ改造していなければ『別添資料2』を省略することができます。
・複数のドローン又は操縦装置を使用する場合には、その全てについて
- 飛行の目的、日時、経路及び高度
- (様式1)の記載内容の一部で、以下の通りです。
a)飛行の目的
「業務」、「趣味」、「その他」から業務であれば、空撮、報道取材、警備、農林水産業、測量、環境調査、設備メンテナンス、インフラ点検・保守、資材管理、輸送・宅配、自然観測、事故・災害対策等から該当する飛行の目的を選択します。なお、「その他」に該当する場合には、飛行の目的を記載します。
b)飛行の日時
・飛行を予定している日時又は期間及び時間帯を記載します。期間及び時間帯を記載する場合には、その期間は原則3ヶ月以内とし、申請内容に変更を生ずることなく、継続的に無人航空機を飛行させる場合には、1年を限度として記載することができます。
c)飛行の経路
・飛行を予定している経路を記載するとともに、地図上に当該経路を示した『別添資料1』を記載します。
・飛行の経路が特定されない場合には、飛行が想定される範囲を記載します。また、当該範囲のうち特定の場所や条件でのみ飛行させる場合は、その場所や条件を記載します。
・『空港周辺』若しくは『150m以上の空域』における飛行を行う場合には、航空機の航行の安全を確認するために必要な情報として、緯度経度(世界測地系で秒単位)による飛行範囲もあわせて記載します。
d)飛行の高度
・飛行の高度の上限を記載します。
・『空港周辺』若しくは『150m以上の空域』における飛行を行う場合には、航空機の航行の安全を確認するために必要な情報として、海抜高度もあわせて記載します。 - 飛行禁止空域を飛行させる理由
- 『空港周辺』若しくは『150m以上の空域』における飛行を行う場合には、(様式1)『許可・承認申請書』の記載内容の一部として該当する許可を求める空域を選択するとともに、選択した飛行禁止空域で無人航空機を飛行させる理由を記載します。
- ドローンの機能及び性能に関する事項
- 『資料の一部を省略することが出来るドローン』に該当し、かつ改造していない場合は(様式2)の記載の一部である機能・性能に関する基準適合確認を省略することができます。
しかし、『資料の一部を省略することが出来るドローン』に該当せず、あるいは該当しても改造している場合は確認・記載します。
ドローンを改造している場合は、上記以外に(様式2)の記載の一部である改造概要を記載します。
上記基準適合確認・記載した場合は、『別添資料3』(ドローンの運用限界・飛行させる方法を記載した書面以下『別添資料3』とします。)を記載します。
ただし、『資料の一部を省略することが出来るドローン』に該当し、改造している場合は、運用限界・飛行させる方法どちらも改造によって影響がなければ『別添資料3』を省略することができます。(趣味目的でも省略できます。)
最大離陸重量25㎏未満のドローンの場合には、(様式2)に加え、飛行形態に応じた追加基準『別添資料4』(ドローンの追加基準への適合性を記載した書面以下『別添資料4』とします。)を記載します。
ただし、『資料の一部を省略することが出来るドローン』に該当している場合は『別添資料4』を省略することができます。
最大離陸重量25㎏以上のドローンの場合には、(様式2)に加え、次に掲げる基準にも適合する必要があります。
(1)想定される全ての運用に耐え得る堅牢性を有すること。
(2)機体を整備することにより 100 時間以上の飛行に耐え得る耐久性を
有すること。
(3)機体と操縦装置との間の通信は、他の機器に悪影響を与えないこと
。
(4)発動機、モーター又はプロペラ(ローター)が故障した後、これら
の破損した部品が飛散するおそれができる限り少ない構造であるこ
と。
(5)事故発生時にその原因調査をするための飛行諸元を記録できる機能
を有すること。
(6)不具合モードに対し、適切なフェールセーフ機能を有すること。
飛行形態に応じた追加基準、『別添資料4』の記載及び省略条件は上記最大離陸重量25㎏未満のドローンと同じです。
『別添資料5』のドローンを飛行させる者一覧の備考で団体などの認定を受けている記載がある場合は、『当該認証の写し』を添付します。
(認証がなくても、許可・承認を受けることは可能とされています。) - 無人航空機の飛行経歴並びに無人航空機を飛行させるために必要な知識及び能力に関する事項
- (様式3)『ドローンを飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書』(以下(様式3)とします。)の記載内容です。以下のとおりにまります。
(1)飛行を予定している無人航空機の種類(飛行機、回転翼航空機、滑
空機、飛行船のいずれか)別に、10 時間以上※の飛行経歴を有す
ることと、そのことを証する書面として『別添資料6』(ドロー
ンを飛行させる者の追加基準への適合性以下『別添資料6』と
します。)に飛行経歴について記載します。
ただし、上記『団体などの認定の写し』があれば、それをもって
『別添資料6』を省略することができます。
※飛行経歴が10時間に満たなくても安全性の確保が認められれば、許可・承認が受けられる場合があります。例として飛行場所における第三者の立入が制限され、ジオ・フェンス機能を設定し飛行範囲の制限を行い、十分な飛行経験を有する者の監督の下で飛行させる等です。)
(2)次に掲げる知識を有すること。
a)航空法関係法令に関する知識(無人航空機に関する事項)
b)安全飛行に関する知識
・飛行ルール(飛行の禁止空域、飛行の方法)
・気象に関する知識
・無人航空機の安全機能(フェールセーフ機能 等)
・取扱説明書に記載された日常点検項目
・自動操縦システムを装備している場合には、当該システムの構造
及び取扱説明書に記載された日常点検項目
・無人航空機を飛行させる際の安全を確保するために必要な体制
・飛行形態に応じた追加基準
(3)飛行させる無人航空機について、次に掲げる能力を有すること。
a)飛行前に、次に掲げる確認が行えること。
・周囲の安全確認(第三者の立入の有無、風速・風向等の気象 等)
・燃料又はバッテリーの残量確認
・通信系統及び推進系統の作動確認
b)遠隔操作により飛行させることができる無人航空機の場合には、
a)の能力に加えて、GPS(Global Positioning System)等によ
る位置の安定機能を使用することなく、次に掲げる能力を有するこ
と。
ア)安定した離陸及び着陸ができること。
イ)安定して次に掲げる飛行ができること。
・上昇
・一定位置、高度を維持したホバリング(回転翼航空機に限る。)
・ホバリング状態から機首の方向を 90°回転(回転翼航空機に限る。)
・前後移動
・水平方向の飛行(左右移動又は左右旋回)
・下降
c)自動操縦により飛行させることができる無人航空機の場合には、
a)の能力に加えて、次に掲げる能力を有すること。
ア)自動操縦システムにおいて、適切に飛行経路を設定できること。
イ)自動操縦システムによる飛行中に不具合が発生した際に、無人
航空機を安全に着陸させられるよう、適切に操作介入ができるこ
と。なお、操作介入が遠隔操作による場合には、b)の能力を有
すること。
なお、自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいいます。)のみにより飛行させることができる無人航空機であって、当該無人航空機を遠隔操作により飛行させる者を要しない場合には、飛行を監督する責任者の氏名を記載します。 - ドローンを飛行させる際の安全を確保するために必要な体制に関する事項
- 『別添資料7』(飛行マニュアルについての書面以下『別添資料7』とします。)の記載内容です。大きく分類して、①ドローンの点検・整備の方法、②ドローンを飛行させる者の訓練、③ドローンを飛行させる際の安全を確保するために必要な体制についてマニュアルを記載します。
ただし、(様式1)のドローンを飛行させる際の安全を確保するために必要な体制に関する事項で「『航空局標準マニュアル』を使用する。」を選択・明記すると『別添資料7』を省略することができます。
また、団体等が定める飛行マニュアルに従って飛行させる場合には、『当該飛行マニュアル』を添付することで代えることができます。
その他、航空局ホームページに掲載されている団体等が定める飛行マニュアルに従って飛行させる場合には、その団体及び飛行マニュアルの名称を記載することで代えることができます。 - その他参考となる事項
- (様式1)のその他参考となる事項の記載内容です。以下のとおりになります。
ドローンに係る第三者賠償責任保険への加入状況を把握するため、その保険の内容(加入状況、保険会社名、商品名、補償金額)を記載します。
『空港周辺』又は『150m以上の空域』における飛行の申請の場合には、以下の記載に従って空港設置管理者等又は空域を管轄する関係機関と調整を行った結果を記載します。
『空港周辺』の場合
●空港等の運用時間外における飛行又は空港等に離着陸する航空機がな
い時間帯等での飛行であること。このため、空港設置管理者等との調
整を図り、了解を得ること。
●無人航空機を飛行させる際には、空港設置管理者等と常に連絡がとれ
る体制を確保すること。
●飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気
象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航
空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言
を行うこと。
●飛行経路の直下及びその周辺に第三者が立ち入らないよう注意喚起を
行う補助者の配置等を行うこと。
『150m以上の空域』の場合
●空域を管轄する関係機関から当該飛行について了解を得ること。
●無人航空機を飛行させる際には、関係機関と常に連絡がとれる体制を
確保すること。
●飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気
象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航
空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言
を行うこと。
●飛行経路の直下及びその周辺に第三者が立ち入らないよう注意喚起を
行う補助者の配置等を行うこと。
包括申請、代行申請、許可・承認期間について
(包括申請)
同一の申請者が一定期間内に反復して飛行を行う場合又は異なる複数の場所で飛行を行う場合の申請は、包括して申請することが可能です。
(代行申請)
飛行の委託を行っている者(委託元)が委託先の飛行をまとめて申請する場合や、複数の者が行う飛行をまとめて申請する場合などについては、代表者による代行申請が可能です。
※なお、報酬を得て、官公署に提出する書類の作成を、行政書士以外の方が行う場合には、行政書士法違反となります。
(許可等の期間)
許可等の期間は原則として3ヶ月以内ですが、継続的に無人航空機を飛行させることが明らかな場合には1年を限度として許可等が可能です。